こんばんは。石原宙です。
この間の土日はずっと家でみりん揚げを食べていましたが、さすがのわたしもみりん揚げ代くらいは稼がないといけません。
というわけで新刊がでます。
タイトルは、
『世界で2番目におもしろいライトノベル。』
です。
酔っぱらってません。
面白いです。おそらく現時点での私の最高傑作です。
みりん揚げに誓って言います。
次を書いたらそれが最高傑作になりますけど。
タイトルについては二転三転しましたが、「ライトノベル業界に喧嘩を売りたい」としきりに言う血の気の多い担当編集の口車に乗せられ、ごらんの有様となりました。
どうしたんでしょう。何かいやなことがあったんでしょうか。
しまいには、「『この世で2番目におもしろいライトノベル。』にしましょうよ! 略して『このラノ』!」と特定の出版社に向けて喧嘩を売ろうとしはじめたので、私が体を張って止めました。
その際に右腕を持っていかれましたが、この程度の犠牲ですむなら安いものです。
そうして決まったタイトル。
これだけ多くの作家さんがいて、たくさんの作品がある中で、たいへん恐れ多いです。
ですが、そんな群雄割拠の時代だからこそ、覚悟を決めねばならないと思いました。
タイトルの真偽は、最後まで読んでもらえれば必ずわかります。
どんな作品か一言で言うと、
ライトノベルへの愛と憎しみに満ちた作品です。
内容はこんな感じです。
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主人公・灰川祭は、"認知度海抜0mの男〈デッドロット〉”を自負する高校生。
日々の日課は、ブログで志なきラノベを叩くことです。歪んでいます。
彼はある日、"最終回後の主人公”と名乗る4人と出会います。
"伝説の勇者” リーリャ・パヴロヴナ・リトビャノフ
"学園異能の覇者” 獅子王 騎士
"異世界帰りの救世主” 織田切 チロル
"終わりの魔法少女” 赤瀬川 夏恋
それはまさに祭りが毛嫌いしていたライトノベルの主演級〈プライマル〉でした。
非日常に飽き飽きしていた彼女たちは、普通の日常を望んでいます。
キーとなるのは、"英雄係数〈メサイアモジュール〉”。
簡単に言えば、その数値が高い者ほど英雄になりやすく、逆ならなりにくい。
元主人公と名乗る彼女たちは常人の3倍、300前後の数値を誇ります。
対する祭はたったの5。空前のモブです。
ドラクエでいえば、「ここは◎◎の村だよ」としか言えない村人の、飼ってる犬がくわえているビーフジャーキーくらいの存在感です。かわいそうです。
だからこそ彼を見込んで、彼女たちは願うのです。
自分たちのいらない英雄係数をもらってくれと。
私たちの代わりに、"主人公”になってくれと。
ただ。
彼女たちの不要な数値をすべて引き受ければ、祭の英雄係数は1000を超えます。
常人の10倍。主演級の3倍。未曾有の怪物です。
その爆発的な運命力は、しだいに世界に干渉をはじめます。
"伝説の勇者”は担任に。
"学園異能の覇者”は悪友に。
"異世界帰りの救世主”は妹に。
そして"終わりの魔法少女”はヒロインに。
主演級の彼女たちが、大いなる祭の物語の"脇役”になってしまうのです。
望まないのに、人類史上最強の"超主演級〈ハイ・プライマル〉”となってしまった祭はどうなってしまうのか?
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長かったですね。ここまで読んでくださった方ありがとうございます。
懐に余裕があれば、クオカード500円分あげたいです。
そして、注目の挿画担当は、人気イラストレーターのH2SO4さんです。
ものすごくきれいで魅力的な絵を描かれる方です。
以前から好きで、いつか一緒に仕事をしたいなと思っていたところ、今回ご快諾いただきました。
ありがとうございます。好きです。がんばりましょうね。
以上です。
ライトノベルを愛するすべての人へ。
右手で握手し、左手で殴り合いましょう。
10月23日(金)発売、『世界で2番目におもしろいライトノベル。』(集英社DX文庫)
どうぞよろしくお願いします。